VM 複製方法について part.1/3 2 つの方法の紹介

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こんにちは、Azure テクニカル サポート チームの富田です。
今回はご案内することの多い、VM 複製方法についてとなります。

本記事は 3 部作の 1 記事目です。

  1. VM 複製方法について 2 つの方法の紹介
  2. 一般化したイメージから VM を複製する手順
  3. OS ディスクのスナップショットから VM を複製する手順

VM 複製方法については多数の方法がありますが、こちらの記事では、よく使われる

  • 一般化を行いイメージを作成して、そのイメージから VM を複製する方法
  • OS ディスクのスナップショットを作成し、そのスナップショットから VM を複製する方法

に絞って説明させていただきます。

本記事ではマネージド ディスクの使用を前提とさせていただきますので、アンマネージド ディスクをご利用いただいている場合は、下記手順より VM をマネージドディスクに変換をお願いいたします。

詳細な手順は、part2 / part3 に記載いたしますので、まずは注意喚起および、それぞれの簡単な概要について紹介します。


Windows VMを複製しようとしている方への注意喚起

重要な事のため、先に記載させていただきます。
Windows VM を複製しそれをご利用いただく場合、基本的には「一般化したイメージから VM を複製」いただく必要がございます。
Windows VM の場合「OS ディスクのスナップショットから VM を複製」はバックアップ用途等でご利用いただけるものとなります。

=====抜粋=====
重複またはイメージ化された Windows インストールを展開する場合は、イメージのキャプチャ前にシステム準備 (Sysprep) ツールを使用する必要があります。
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=====抜粋=====
PC を一般化せずに Windows イメージを別の PC に移動またはコピーすることはサポートされていません。
============


一般化したイメージからVMを複製

こちらの手順では、一般化 (VM 内の固有のファイルやデータを削除) した後に、イメージを作成し、そのイメージから新規に VM を作成 (複製) いただくこととなります。

一般化したイメージから VM を複製いただく手順は基本的に下記の流れになります。

  1. 複製元となる VM を作成する
  2. 作成した VM で必要なソフトウェアのインストールや設定を行う
  3. VM を一般化 (マシン固有のファイルとデータを削除) する
  4. 一般化した VM より [イメージ] を作成する
  5. 作成した [イメージ] より新規 VM を必要な数だけ作成する

一般化とは、VM を複製したりするための下準備として、マシン固有のファイルとデータを削除するものとなります。
削除されるデータの例として、VM の管理者アカウント(Built-in Administrator) や SID (Security Identifier) があります。

つまり、これらの情報は削除されていますので、イメージから新しく VM を作成 (複製) する際に、VM の管理者アカウントを設定し、SID も新規に割り振られるということとなります。
また、**一般化した VM は起動不可となるため再利用不可** となりますので、ご注意ください。

なお、Windows VM では一般化をする際 Sysprep というツールを用います。
そのため [一般化する] = [Sysprep する] と同義で言われることも多いです。

こちらの詳細な手順は 一般化したイメージから VM を複製する手順 をご参照ください。


OSディスクのスナップショットからVMを複製

OSディスクのスナップショットから VM を複製いただく手順は基本的に下記の流れになります。

  1. 複製元となるVMを用意する
  2. VM を停止 (割り当て解除) し、OS ディスクの [スナップショット] を取得
  3. 作成した [スナップショット] より必要な数だけ [ディスク] を作成
  4. 作成した [ディスク] より VM 作成する

スナップショットからの複製でご注意いただきたい点として、スナップショットは VM 固有のファイルとデータは保持される、OS ディスクの完全読み取りコピーであるという点がございます。
つまり、複製した VM は SID やホスト名が複製元と同一になります。

完全複製による意図しない動作を防止するため、同一 VNET 上で元 VM と複製 VM を同時に起動しないようにしてください。
スナップショットからの複製する場合は 別の VNET 上にデプロイするようにお願いいたします。

こちらの詳細な手順は OS ディスクのスナップショットから VM を複製する手順 をご参照ください。

※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。